DTC提供業者が行う遺伝子検査を基に作るレポートのルール
DTC(Direct-to-Consumer)遺伝子検査の提供業者は、消費者に対して適切な情報を提供し、誤解を招かないようにするため、以下のルールを守る必要があります。
1. 科学的根拠の確保
✅ 検査の妥当性を確保
• 検査項目は科学的に妥当なものでなければならない。
• 統計データに基づいた体質や疾患リスクを示すが、確定的な診断とは異なることを明示する。
✅ エビデンス(証拠)の提示
• 検査結果の解釈には、最新の科学的知見に基づく情報を添付。
• 疾患リスクや体質判定の妥当性を示す論文や研究データを活用する。
2. レポート内容の透明性
✅ 医療との誤認を防ぐ
• 「がんリスクが高い」といった医療診断と誤認される表現を避け、「統計的に○○の傾向がある」と記載。
• 医療機関での診断・治療に用いることはできないと明記する。
✅ 分かりやすさの確保
• 一般の人が理解しやすいように、グラフや図表を活用して説明。
• 専門用語はできるだけ避ける、または説明を添える。
3. インフォームド・コンセント(同意取得)の徹底
✅ 検査の目的と限界を明示
• 検査が体質傾向を示すものであり、疾患の診断ではないことを明記。
• 検査結果が生活習慣や環境要因に左右されることも説明。
✅ 利用者の同意を事前に取得
• 検査前に「どの情報が収集され、どのように利用されるのか」を明確に伝える。
• 情報の保存期間、第三者提供の有無などを消費者に説明。
4. 個人情報・遺伝情報の取り扱い
✅ 厳格なデータ管理
• 遺伝情報は個人情報として扱い、適切な保管・管理が求められる。
• データへのアクセスを制限し、外部への提供には厳格なルールを設ける。
✅ 情報の開示・削除対応
• ユーザーが自身のデータを削除できる仕組みを提供。
• データの保管期間を明示し、不要になった情報は適切に廃棄。
5. 二次的サービス(サプリ・化粧品販売など)の制限
✅ 検査結果と関連付けたサービスの提供には慎重を期す
• 「あなたに合ったサプリ」などの提案をする場合、その科学的根拠を明示する。
• 遺伝子検査と無関係な商品販売を行わない。
✅ 解約トラブルを防ぐ
• 遺伝子検査と二次的サービスを明確に区別し、解約ルールを明示。
• 事業者は二次的サービス提供者の管理・監督責任を負う。
6. 遺伝カウンセリングの提供
✅ 検査結果の解釈を支援
• ユーザーが結果を理解しやすいように、遺伝カウンセラーや医師への相談窓口を設ける。
• 誤った受け取り方を防ぐための教育コンテンツを提供。
まとめ
DTC提供業者が作る遺伝子検査レポートは、科学的根拠を明確にし、医療と誤認されないように注意する必要があります。また、個人情報の適切な管理、遺伝カウンセリングの提供、二次的サービスの透明性確保などが求められます。